
ドラマ
『ぼくらはみんな生きている』
を久々に観ました
"夢を染める…
記憶を失くした青年"
坪倉優介さんの体験を基に描かれたドラマで
観ているうちに、
何となく、心が優しくなれるような
自分の顔の表情がいつしか和らいでいるような
いい作品でした
オダギリジョーさんは また完全に沢村修一という人物でしたね
そして 役者・オダギリジョーさんと小西真奈美さんは、
このドラマでも またしても、ベンチに座っていた
この 修一くんとゆきちゃんが
あのベンチに座っていた 武と有里だったとは
「………どうした?」
「今日… 病院に行って来た…」
「病院?…病院って…」
「七週目だって…」
「………………。」
ふたりとも白い服を着て…
お互い、視線を交わすことなく、それぞれに、虚を見つめるだけの二人…。
今、この段階で、子供ができてしまった…ということへの狼狽を隠しようもない
タケシの横顔を盗み見てしまった、有里の切ない気持ち…。
仕事上のトラブルも、この有里の妊娠の問題も、一遍にのしかかってきてしまった…という
タケシの、どうしようもない焦り…。
それが、同じようにベンチに座る、このふたりによって、全く違う芝居となる。
会話の途中で、ふと、修一くんが、ちょっと困ったような、眩しそうな表情で、
ゆきちゃんの顔を、不思議そうに、しみじみ眺めるので、
ゆきちゃんが、どうしたの…?と聞くと、
「君は、ため息つかないから…。」
「ねえ… どうして、その髪型にしたの…?
あたしは、前の髪型の方がいいと思うな…。沢村くんらしくて…。」
そう言えば、歩道橋の上で、有里がタケシの後ろ姿を見送っていたこともあったが、
今度は、修一くんが、ゆきちゃんの後ろ姿を見送りつつ、
こぼれるような満面の笑みを浮かべて、大きく手を振っている…。
ゆきちゃんが、ふと振り向いて、修一くんのその姿に気付き、
彼女も負けないくらい、可愛い笑顔で、大きく手を振る…。
この、修一くんとゆきちゃんが、歩道橋の上で逢っていた、タケシと有里なのよね…?
「あ〜 そうだ、そうだ…。終わった… 借金。
お前には、一応、報告しておこうと思って…。
じゃあな…。」
「じゃあ、今の仕事もやめられるんだ…?
よかったね! ほんとによかったね!」
タケシと有里は、キス・シーンすら無かったが、
つい今しがたまで、ふたりで寝てた…みたいな気配のベッドに、
タケシがボサボサの髪で起き上がる、その向こうで、
有里が鏡に向かって、長い髪を梳かしたりしていて、
二人の関係の濃密さが、やけに生々しく感じられるような、
慣れ切った男女の光景だった。
その一方で、修一くんとゆきちゃんのキス・シーンは、実に爽やかで、
薄荷の香りさえ漂ってきそうな、清冽な印象でした
お見苦しくてお許しを |